『時間医学』1日の血の流れを知って体のバランスを整えましょう!
こんにちは。国際薬膳師の熊代美奈子です。
『体内時計』という言葉を聞いたことがあると思います。
意識しなくても日中を活動状態にし 夜間を休息状態にし 一定のリズムを刻み
ホルモン分泌 自律神経の調節など
体の様々な生体リズムを 体内時計が調節していますが
夜勤 夜更かし スマホやPCから出るブルーライトを あびすぎることで
体内時計は乱れ 体調を崩してしまいます。
この生体リズムを研究する学問の考え方を 医学分野に取り入れた『時間医学』は
中医学では 時辰(※1)ごとに 五臓六腑(※2)と関係があるんです。
(※1)時辰じしん=かつて中国 日本で使用していた 時刻の単位のこと
六腑=胆 小腸 胃 大腸 膀胱 三焦(※3)
(※3)中医学では 全身の 気と水の道 として疎通する機能がある
と言われています。
まずはじめに 陰陽について お話しします。
陰陽とは 対になる2つのものを 【陰】と【陽】に分類して考える
基本概念の1つで 【陰】と【陽】のバランスがとれている時
健康状態は保たれます。
分類すると…
【陰】=月 雨 涼 秋冬 静 暗 下 内 裏 寒 夜 地 新陳代謝低下…
【陽】=太陽 晴 温 春夏 動 明 上 外 表 熱 昼 天 新陳代謝活動…
1日で考えると…
【陰】=(正午)→(日に入り)→(夜中)
陽が弱まり 陰が徐々に強くなっていき 夜中に陰が極まる。
【陽】=(夜中)→(日の出)→(正午)
陰が弱まり 陽が徐々に強くなっていき 正午に陽が極まる。
四季で考えると…
【陰】= 冬至に陰が極まる。
【陽】= 夏至に陽が極まる。
では 【陰】の始まりから 時辰ごとに
時間と その時間に関係する五臓六腑と
その時間の過ごし方 注意点 をご紹介します。
☆23~1時 = 子時(ねどき)= 胆
→胆は 肝と関連があるため 次の1時から 肝が しっかり働けるように
また 陰から陽へ 体もうまく移れるように 1時までには 寝ること。
☆1時~3時 = 丑時(うしどき)= 肝
→肝臓は 人体にとって有毒な物質を無毒化するという 解毒の臓器で
肝が休まず働くことで無毒化されるので この時間に起きていると
他のことに血が使われ 解毒が出来ず 次の日の朝 体がだるい などの
症状が出てしまう。
☆3時~5時 =虎時(とらどき)= 肺
→肺には 気血の分配という働きがあり この時間に
1日の 血の時間配分を考える と言われており
時間を考えずに 生活を続けていると 体調は崩れてしまう。
この空気の澄んだ時間は 最低血圧にする時間であり
最も生物が 亡くなる時間 とも言われています。
この時間に起きて お仕事をされる方もいらっしゃるかと思いますが
【陽】になったばかりのこの時間は パワーのない方は 寝て休む方がいいです。
☆5時~7時 = 卯時(うどき)= 大腸
→血が大腸に入っている時間。排便をすることで 最も毒のない 体のきれいな時間。
☆7時~9時 = 辰時(たつどき)= 胃
→排便をし 体の中が 空っぽなので しっかりと 朝食をとる時間。
☆9時~11時 = 己時(みどき)= 脾
→食物を消化吸収し 全身に営養を送り 水の代謝を調節するといった
運化の働きをする時間。
朝ごはんを食べないと 脾の働きが悪くなってゆくので 朝ごはんは
食べるようにしましょう。
☆11時~13時 = 午時(うまどき)= 心
→昼ごはんをとる。朝ごはんほど しっかりと とる必要はない。
理由については 次の 13時~15時のところで 説明します。
昼ごはんをとって 陰へ うまく 体を転換させてゆく。
☆13時~15時 = 未時(ひつじどき)= 小腸
→泌別清濁の時間。人体に必要な物質(清)と 不要な物質(濁)に分別する。
(清)は 気血津液に変化し 生命活動を支持。小腸から脾へ。
(濁)は 大便小便として 排泄。小腸から大腸へ。
昼ごはんを たくさんとると 濁が増えて バランスが崩れてしまう。
逆に あまり食べない という方は 3時頃 低血糖になり
眠気 集中力低下 といった症状が起きる。
☆15時~17時 = 申時(さるどき)= 膀胱
→お茶をする時間。1時間くらいかけて ゆっくりと お茶を飲む時間。
中国のお茶文化と関係がありそうですよね。
→不要でも水分摂取し 尿の色を確認する。
(薄い)水分 摂り過ぎ。
(濃い)水分不足。
☆17時~19時 = 酉時(とりどき)= 腎
→腎は 精 を蔵す と言われています。
精を貯め がんばらなくてはいけない時に エネルギーが出せるよう
しっかり食事をとる。
酒も とると良い と言われています。
酉の字は 酒を醸す器の象形文字で 酒 のもとの字です。
☆19時~21時 = 戌時(いぬどき)= 心包(※4)
(※4)五臓六腑の11ではなく 12で考えるときに
加えられます。心臓を包む膜または袋。三焦同様に 実体のない臓器。
→運動などをして 心臓に負担をかけないようにする。
陰が多い時間のため 勉強に適している時間。
☆21時~23時 = 亥時(いどき)= 三焦
→気と水の疎通 の働きができるよう 何もせず ボーとすると良い
と言われています。
以上です。
この通りに実行するのは なかなか難しいとは思いますが
体を血が巡ることで 胃痛や多夢(※5)が 改善された方もいます。
しっかり食事をして血を作り 時間を守って血を巡らせることで
これまでの不調が 改善されるかもしれません。
(※5)多夢とは 睡眠が浅く 夢を多く見る という症状。
《薬膳ドリンク》
血を補い 血栓症改善としても 注目され始めている 紅茶と
血液を浄化し 血液循環をよくする 紅花 の ドリンクを 紹介します。
材料 紅茶 小さじ2杯
紅花 小さじ1杯
熱湯 300~400cc
作り方①ティーポットに紅茶 紅花 熱湯を注ぐ。
②①を蒸らす。
③カップに注ぐ。
春は 環境が変わり 体調を崩してしまう方も 多いかと思います。
ぜひ参考にしていただき 新しい環境で 頑張ってください✊
国際薬膳師 国際薬膳調理師 登録販売者
熊代美奈子(くましろ みなこ)